【現地取材】Queen『Made In Heaven』が生まれたレコーディングスタジオに行ってみた
1973年にデビューし、世界各国で総計3億枚以上のセールスを記録する、英国生まれのロックバンドQueen(クイーン)。ボーカリスト、フレディ・マーキュリーが生前最後にレコーディングしたという、Queenにとっても特別なスタジオはスイス・モントルー(Montreux)のカジノ内にあった。
・Queen最大のヒット作『Made in Heaven』もレコーディング
その湖畔の美しさから、“スイスのリヴィエラ”の別称をもつモントルー。高級リゾートホテルやカジノが立ち並ぶ町へロンドン出身のQueenが初めて訪れたのは1978年のこと。
その頃デビュー5年目にして数々の名曲を生み出していた彼らは、何にも邪魔されず音楽をつくれる環境をさがしていた。そこでモントルーの美しさや町並みの穏やかさにすっかり魅せられて、1979年にはこの地にアパートと「マウンテン・スタジオ」を購入。そのスタジオがあったのは、当時街のランドマークだった「カジノ・ド・モントルー(Casino Barriere de Montreux)」内部だ。
Queen「It’s A Beautiful Day」(『Made in Heaven』収録)
・数々の著名アーティストも利用した伝説のスタジオ
Queenは「マウンテン・スタジオ」で7枚のアルバムを録音し、世へ送り出した。だがこのスタジオを利用したのはQueenだけではなく、Led ZeppelinやYES、David Bowie、Michael Jackson、Duran Duranと第一線をいくメンツ。ここは各ジャンルのトップアーティストの名曲や名盤が生まれた聖地なのだ。
Queenが所有していた1995年以降「カジノ・ド・モントルー」の再建が決まり、同時に「マウンテン・スタジオ」も閉鎖へ。しかし、取り壊しになると見られていたスタジオはカジノ内にそのまま残されていた。そして2013年、その跡地に体験型スタジオ「Queen The Studio Experience」がオープンした。
Led Zeppelin「Bonzo’s Montreux」(『Coda』収録)
・いざQueenワールドへ
マウンテン・スタジオの跡地にある『モントルー・カジノ・バリエール』内にある展示室は「マウンテン・スタジオ」をほぼ再現。フレディが最後の曲(「Mother Love」『Made in Heaven』収録)をレコーディングしたコントロールルームやブライアン・メイが「Who Wants To Live Forever」などの演奏で使ったとされるDX1(デジタルシンセサイザー)も展示。
オリジナルムービー(約30分)上映のほか、各展示を見ながらアルバムも視聴できるため、ファンもあまり知らない人も十分に楽しめる。また当時使われていたミキシング・コンソール(ニーヴ8048)を再現したものもあり、操作によって曲をミックスできるマニアにはたまらない展示もある。入館料は無料(エイズ支援活動への寄付は任意)。
もっと詳しく読む: Queen『Made In Heaven』が生まれたレコーディングスタジオに行ってみた(Photrip フォトリップ) https://photrip-guide.com/2016/10/10/queen-studio/